7月も折り返しですね~
というわけで先月読み終えたこちらの本。

タイミング逃しまくりましたがしれっと更新です、長い
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私が公ちゃんをだますように、一緒になることを強ようしたこと、私の一方的に遊びにくれ、申し訳ない次第ですが、私自身も、このような不安定な身を、いつまでも続けることは考えてもおりませんし、今日まで築いた道を、自分達の将来の生活の道に向けてゆきたいと思っております。私の身も、もう自分のものであって自分のものでない、また、公ちゃんの体も、公ちゃんのものでない、私達のものであること。(略)私のような人間は孤がゆえに、できたことであって、他人に口を大にしていえるようなものでなく、公ちゃんだけには、私のことを理解し、よくやったといってもらいたいと思っております。(略)少なからず公ちゃんとの出合は私の人生を総てかえ、私を救ってくれる人であることまちがいありません。私のようなバカな人間は、とても公ちゃんに近づけるものでないですが、私とて、人間にて、心を押えることができませんでした。俺のような悪人につかまってしまったと、一生を棒にふってしまったとあきらめて下さい。
植村直己 妻への手紙/10頁
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なんてことだと、去年雑誌で紹介されたこの部分を読んでとても衝撃を受けました
いじらしいというかなんというか、語彙力が足りなくて表現できないのですが、こんな風に思ってもらえたら、もう私、何バカなこと言ってるのって全力で抱きしめるよ………!!と、いやお前何様だよな涙を流し、この本を手に入れなければならないと変な使命感が生まれたのでした
実際に読んでみたこの本は、想像以上にただひたすら旅の様子の手紙が綴られておりました
そこに妻、公子さんの気持ちは一切でてきません
しかし最後の最後に2ページだけ、あとがきのような位置付けで公子さんの言葉が載っておりまして、それが、このたくさんの手紙達を締めくくるにふさわしい、とてもとても素晴らしいものでした。さっぱりとしてるのにものすごく沁みる、あんなに完璧な2ページってないです。。
私はどうしたって少しでも一緒に長生きしてほしい派なので、ままならない気持ちにならずにはいられないのですが、本当に読んでよかったなと思います。
某SNSでもつぶやきましたが、私の旅先から好きな人にポストカードを送りつけたい願望は年々募るばかりです。
友達との小旅行とかじゃなくても、1泊2日の出張とかでも送りつけたくて、そしたらポストカードより私のが早く着くけど一緒にみるのもいいなーという痛い妄想を繰り広げたりして、この願望には楽しみしかなかったんですけれども、この本を読んだ今は、たぶん私は送りつける度にこのご夫婦のこと思い出して、ちょっと切なくなって、お家に帰ったら相手を大切にしようと思えそうだなと思います
そんな本!
最初に引用したとこと、公子さんのあとがきだけでも読んでほしいんですけど、手紙も読んだうえで読む公子さんのあとがきは全然深みが違うと思うので、できたら通して読んでほしいなと思います。
(本当に旅の状況報告なとこもあって、正直中弛みしたり斜め読みしたとこもあるので、1文字ももらさず真剣に読んでという意ではないです)
ということでポチッとな、もしくはいつでもお貸しする!
植村直己 妻への手紙